Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
廣木 章博; 山下 真一*; 田口 光正
Journal of Physics; Conference Series, 573(1), p.012028_1 - 012028_4, 2015/01
被引用回数:4 パーセンタイル:79.08(Engineering, Biomedical)放射線橋かけヒドロキシプロピルセルロース(HPC)ゲルを母材とするポリマーゲル線量計の放射線感度向上を目的に研究を行った。電子線照射により作製したHPCゲルを放射線検出液(2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(9G)、テトラキスヒドロキシメチルホスホニウムクロリド(THPC)を含む水溶液)に浸漬後、真空パックすることでポリマーゲル線量計を作製した。線照射による白濁度合いは観測波長660nmの吸光度から評価した。ポリマーゲル線量計は、1Gyで白濁し、10Gyまでの線量に対して吸光度増加を示した。単位線量あたりの吸光度増分である放射線感度は、THPC濃度に依存し、HEMA 2wt%, 9G 3wt%, THPC 0.40wt%で約0.06Abs.Gyに達することが分かった。
久米 民和
IAEA-SM-365/22, p.90 - 94, 2003/09
多糖類は放射線分解することにより種々の生物活性が誘導される。本報告では、これまでに当研究室で得られている成果をレヴューする。キトサン,アルギン酸,カラギーナン,セルロース,ペクチンなどの多糖類は放射線で容易に低分子量化する。これら分解産物に、抗菌活性(細菌や糸状菌に対する抑制効果),植物生長促進活性,植物自己防御物質の誘導,重金属や塩などの環境ストレス抑制など新しい機能が発現する。これらの生物活性について、特に農業利用分野における応用を解説する。
久米 民和; 長澤 尚胤*; 吉井 文男
Radiation Physics and Chemistry, 63(3-6), p.625 - 627, 2002/03
被引用回数:95 パーセンタイル:97.79(Chemistry, Physical)多糖類など天然高分子の放射線利用に関する成果を報告する。多糖類は放射線によって分解し、本来有していなかった新しい生物活性を発現する。海藻から得られるアルギン酸や甲殻類から得られるキトサンなどの多糖類は、容易には放射線分解し、有用な生物機能を発現した。これらの生物活性には、植物の生育促進効果、植物自己防御物質(ファイトアレキシン)の誘導、重金属や塩などの環境ストレス傷害抑制効果、抗菌活性の発現などが見いだされた。一方、放射線分解型である多糖類も、特殊な条件下では橋かけすることを明らかにした。カルボキシメチル化したデンプンやセルロースは放射線処理により橋かけがおこり、農業や医学分野に利用できる生分解性のハイドロゲルが作成できた。
久米 民和
Proceedings of International Nuclear Conference 2002 (INC '02), p.128 - 135, 2002/00
原研で進めている線,電子線及びイオンビームを用いた生物資源の有効利用に関する研究の現状を紹介する。線や電子線を用いた放射線照射処理では、主として多糖類の分解及び橋かけによる植物生長促進剤や生分解性ハイドロゲルに関して得られた成果を報告するとともに、今後の農業や医療分野への応用の可能性について述べる。また、イオンビーム利用に関しては、植物の突然変異での有効性,ポジトロン放出核種を用いた植物体内物質移行のイメージングによる最新の研究などを紹介する。
久米 民和
放射線と産業, (90), p.41 - 45, 2001/06
多糖類などの天然高分子の放射線による変化と、その応用に関する検討を進めている。多糖類は放射線によって容易に分解し、低分子化した分解産物にこれまでに見られなかった種々の新しい生物活性が発現することを明らかにした。ここでは、多糖類の放射線分解産物の新規の生物活性として見いだした抗菌活性,植物の生育促進,重金属や塩などの環境ストレスによる障害の抑制,植物の自己防御機能を高めるエリシター活性になどについて、成果の概要を紹介する。
久米 民和
ポリマーダイジェスト, 53(3), p.17 - 26, 2001/03
多糖類やタンパク質などの天然高分子は、放射線によって会重合することにより、失活や活性誘導などがおこる。ここでは、多糖類の放射線分解物による植物の生育促進効果、植物自己防御物質(ファイトアレキシン)の誘導、重金属や塩などの環境ストレス障害抑制効果、抗菌活性の発現など、新規生物活性の発現について解説する。タンパク質に関しては、放射線失活及び新規活性の誘導効果について述べる。また、これら天然高分子の放射線による変化を利用した、実用分野への応用を紹介する。
Hien, N. Q.*; 長澤 尚胤*; Tham, L. X.*; 吉井 文男; Dang, V. H.*; 三友 宏志*; 幕内 恵三; 久米 民和
Radiation Physics and Chemistry, 59(1), p.97 - 101, 2000/07
被引用回数:104 パーセンタイル:98.41(Chemistry, Physical)海藻から得られる多糖類であるアルギン酸について、放射線分解効果と植物生育促進効果について検討した。アルギン酸は水溶液中、乾燥粉末ともに照射によって著しい分子量低下が認められた。4%水溶液を100kGy照射した時に、イネに対する著しい生育促進効果が認められた。この時のアルギン酸の分子量は約7000であった。また、ピーナッツに対しても顕著な生育促進効果が認められ、最適アルギン酸濃度は、イネで約50ppm、ピーナッツで約100ppmであった。以上の結果、アルギン酸の放射線分解産物は、植物の成長促進剤として有効に利用できることが明らかとなった。
幕内 恵三
放射線利用における最近の進歩, p.87 - 100, 2000/06
高分子材料の放射線加工について解説した。取り上げたトピックスは、橋かけ、分解、硬化、重合、グラフト重合である。最初に放射線高分子化学反応を説明した。放射線橋かけの応用では、電線・ケーブル、タイヤ、発泡プラスチック、熱収縮チューブ、超耐熱繊維、ハイドロゲル、放射線加硫等の実用化例を紹介した。放射線分解では、セルロースや多糖類の最新の情報を紹介した。放射線グラフト重合と放射線硬化では、競争技術について触れた。放射線重合では、カチオン重合性モノマーの高線量率電子線乳化重合への期待を述べた。
高機能材料第1研究室
JAERI-Conf 2000-003, p.174 - 0, 2000/03
高崎研では、東南アジア諸国のそれぞれと2国間研究協力を行っており、放射線を利用した澱粉の橋かけ、天然ゴムラテックスの橋かけ、絹タンパク質の分解、海産多糖類の分解などの研究を進めている。これらの協力研究は、東南アジア特産の天然高分子を材料として、放射線加工技術により付加価値を高め、応用分野の拡大を図ることを目的としている。したがって、個々の材料は異なるが、放射線の作用には共通点があり、情報交換をとおして効率的に研究を進めることができ、資源のリサイクル及び環境汚染防止という強い社会的要請に応える技術の確立に役立つ。そこで、2国間研究協力の相手国5か国から研究者を招いて「天然高分子の放射線加工処理」に関するワークショップを開催し、これまでの成果の発表及び今後の展開に関する討議を行った。本ワークショップには国内外の研究者61名(外国人16名,国内29名,原研16名)が参加し、2国間研究協力の相手国5か国から11件、原研から6件、外部からの招待講演2件の講演を行った。本論文集は、ワークショップで発表された論文等を編集したものである。
久米 民和
JAERI-Conf 2000-003, p.87 - 93, 2000/03
多糖類の放射線処理に関するこれまでの成果を報告する。放射線処理の目的は、(1)放射線殺菌と(2)放射線改質に大別できる。放射線殺菌に関しては、マレーシア原子力研究所(MINT)との二国間研究協力により進めてきた「オイルパーム空果房(繊維質廃棄物)の飼料化」に関する成果について述べる。また、放射線改質に関しては、(1)植物生育促進、(2)エリシター活性の誘導、(3)殺菌活性、(4)重金属などの生育阻害の抑制効果について、得られた成果を紹介する。用いた多糖類は、アルギン酸、カラギーナン、ペクチン、セルロース、キトサンであり、放射線分解産物によって誘導される生物活性について述べる。
幕内 恵三
ポリマーダイジェスト, 51(10), p.81 - 100, 1999/10
放射線分解と放射線重合の現状と動向について解説した。分解と重合の放射線エネルギー利用効率にはかなりの差があり、放射線分解のG値は十以下であるが、重合のG値は数百以上である。既に実用化されている放射線分解でポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の粉末化と最近ドイツで工業化されたセルロースの放射線分解によるビスコースレーヨンの省資源・環境保全プロセスを解説した。次いで原研が見いだした海洋系多糖類の放射線分解生成物の生理活用作用を紹介した。放射線重合では木材・プラスチック複合剤とハイドロゲルの工業化は困難と思われる。放射線重合で今後の研究開発が期待される分野としてカチオン重合性モノマーの電子線乳化重合をとりあげた。本技術の開発によって従来の乳化重合では不可能であったような新しい水系樹脂が誕生する可能性がある。
久米 民和; 長澤 尚胤*; 吉井 文男; Tham, L. X.*; Hien, N. Q.*; Ha, P. T. L.*; Lam, N. D.*
Conference Proceeding RadTech Asia'99, p.475 - 480, 1999/00
キトサン、アルギン酸、カラギーナン、セルロース、ペクチンなどの多糖類は、放射線により容易に分解する。これらの放射線分解産物の植物への効果を検討した。キトサンの放射線分解産物は、抗菌活性、植物生育促進、植物の重金属障害の抑制、ファイトアレキシン(抗菌物質)の誘導など、種々の生物活性が発現した。ペクチンの放射線分解産物も、ダイズにおけるグリセオリンやエンドウにおけるピサチンなどのファイトアレキシンを誘導したが、その活性はキトサンの方が高かった。植物の生育促進効果に関しては、アルギン酸、キトサン、リグノセルロース抽出物などに強い活性が認められた。これらの結果から、放射線分解多糖類は種々の生物活性を発現し、農業や医学への利用の可能性が示された。
長澤 尚胤*; 三友 宏志*; 吉井 文男; 幕内 恵三; 久米 民和
食品照射, 34(1-2), p.37 - 42, 1999/00
各種多糖類の放射線による分解効果と、分解産物における各種生物活性の誘導効果について検討している。本報告ではアルギン酸ナトリウムを用いた結果を中心に、キトサン、カラギーナン、コンニャクマンナンなどほかの多糖類での結果も含めて報告する。アルギン酸のオオムギに対する生長促進効果を調べた結果、水溶液中90kGy照射試料で最も高い活性が得られた。アルギン酸は線量の増加とともに分子量が低下し、最も活性の高い90kGy照射の分子量は約7,000であった。また、植物生育促進のための最適濃度は150ppmであった。ほかの多糖類でも植物生育促進効果が認められるものがあり、分子量や構造の影響を検討中である。
久米 民和
有機材料への放射線利用の新展開講演要旨集, p.1 - 6, 1998/00
多糖類やタンパク質などの天然高分子の放射線による変化と、その応用に関する研究を紹介する。多糖類は放射線によって分解し、本来有している生物活性が失われる。しかし、放射線分解産物の中には、これまでに見られなかった新しい生物活性が発現する場合がある。ここでは、多糖類の放射線分解産物の抗菌活性、植物生育促進効果、ファイトアレキシン(抗菌物質)誘導活性などについて述べる。また、タンパク質の放射線による変性と、新しい生物活性の誘導に関する知見も紹介する。
細井 文雄; 斉藤 健司*; 幕内 恵三; 小石 真純*
高分子論文集, 42(6), p.415 - 422, 1985/00
被引用回数:2 パーセンタイル:22.32(Polymer Science)セルロースを素材とした機械的性質に優れた多孔性微粒子に線を照射したのち、アスピリンを含浸させ、さらにアクリル系モノマーを後グラフト重合させ除放性微粒子の作製を試みた。グラフト重合した試料からのアスピリンの溶出挙動を調べたところ、アスピリンは時間とともに溶出しおよそ140時間で一定値に達した。溶出挙動の結果から、アスピリンはほとんど多孔性微粒子内に吸着していること,溶出速度はグラフト重合したポリマーマトリックス中の拡散律速となっていることがわかった。多孔性微粒子内に吸着したアスピリン量は、グラフト重合により元の多孔性微粒子にアスピリンのみを吸着させたときのそれの2倍量まで増大した。また、多孔性微粒子の表面をあらかじめ二酸化チタン微粒子で処理すると、重合後のアスピリン吸着量は45~100倍増大した。
久米 民和
JAERI-M 83-161, 96 Pages, 1983/11
飼料および飼料原料の安全性の確保ならびに貯蔵性の向上に放射線照射を利用するための基礎として、殺菌効果、照射にともなう成分変化、未利用資源飼料化への応用等について検討した。飼料や飼料原料中の汚染微生物のうち問題となる病原性細菌や好浸透圧性糸状菌を殺菌するための必要線量は0.8Mredであると結論した。また、この照射にともなう飼料の主要成分や栄養価などの劣化はほとんどなく、貯蔵前に殺菌線量の照射を行うことにより貯蔵中の成分変化や養分損失を抑制できることが明らかとなった。またコンベアを用いた照射装置によるパッケージ照射を行い、飼料中の線量均一度、処理コストなど実用規模での照射技術に関する資料を得た。さらに、照射による廃液中のタンパク質の凝集や、凝集剤用多糖類の分解などを利用した未利用資源飼料化への応用の可能性を明らかにした。
廣木 章博; 山下 真一*; 木村 敦; 長澤 尚胤; 田口 光正
no journal, ,
作製したポリマーゲル線量計(2-ヒドロキシエチルメタクリレート、ノナエチレングリコールジメタクリレート、テトラキスヒドロキシメチルホスホニウムクロリド、放射線架橋ヒドロキシプロピルセルロースゲルから成るゲル材料)に290MeV/uの炭素線を照射した結果、ゲル材料の吸光度(紫外可視分光光度計で測定した値)は、10Gyまでの線量増加に伴い増加した。線量に対する吸光度の増分は、約0.007Abs./Gyを示し、線照射と比較して1/10程度であった。フラットスキャナを用いて得た画像のRGB値も線量増加に伴い増加することが分かった。RGB値から見積もった線量の分布は、放射線治療で用いられている一般的なガフクロミックフィルムの線量分布とほぼ一致した。したがって、作製したポリマーゲル線量計は、重粒子線治療での線量評価に応用可能であることが示唆された。